はじまりのものがたり

イザナギとイザナミの国生みと神生みのおはなし

世界の最初は高天原で、神世七代の神々が生まれます。
その最後に『お互いを誘う(いざなう)神』イザナギ(伊邪那岐)・イザナミ(伊邪那美)が生まれました。

イザナギ・イザナミの両神は、
別天つ神のミナカヌシから地を固める
神力のある『アメノヌボコ』という矛を託され
日本を形づくる島々を次々と生みだしました。
それから、石・木・海・水・風・山・野など森羅万象の神々を生み出していきます。
しかし、イザナミは火の神ヒノカグツチを生んだときに大やけどを負い命を落としてしまいます。

イザナミにもう一度逢いたいと、
イザナギは地下にあるという黄泉の国に追いかけていきます。
イザナギは必死にイザナミをさがします。
そして、イザナミを見つけると、こう言いました。
「いとしいイザナミよ。まだ国づくりは終わっていません。さあ、一緒に帰りましょう」
すると、イザナミは答えました。
「私は、黄泉の国の食べ物を口にしてしまったので、帰ることができなくなってしまいました。
でも、あなたが、こうしてわざわざ迎えにきてくれたので、この国の神に相談してみます。
その間、決して私の姿を見ないでください」
イザナギの強い想いにイザナミは心を打たれ、黄泉の神々に交渉をします。

イザナギはいいつけを守り、ずっとずっと、待って待って待ち続けました。
ですが、いつまでたってもイザナミはでてきません。
待ちきれなくなったイザナギは約束を破り中をのぞいてしまいます。
そこで見たものは、目が落ち窪み、あちらこちらが腐りウジの湧いた
変わり果てたイザナミの姿がありました。
彼女の腐ったところからは、まがまがしい雷神が8体も湧き出ています。
変わり果ててしまったイザナミの姿にイザナギは恐怖し、一目散に逃げ出したのです。
イザナギが後ろを振り返ると
「あなたは、わたしに恥をかかせましたね。」
とイザナミとともに醜い女従者、イザナミから湧き出たまがまがしい雷神、
黄泉の国の1500もの大軍が追ってきます。

イザナギは身に着けていたつる草の髪飾り、
頭に刺していたクシで、追っ手を惑わし、
トツカノツルギで軍勢を切り払い、
やっとの思いで地上との境目の
黄泉平良坂が見えるところまでたどり着きました。
そこにあった桃の木の実を三つ、
雷神と追っ手に投げつけると逃げていきました。

ついにイザナミ自ら追って黄泉平良坂の下までやってきました。
イザナギは巨大な岩で黄泉の国の入り口をふさぎました。
岩をはさみイザナミは
「愛しいあなたが、このようなことをするのならば、あなたの国の人たちを毎日1000人殺しましょう。」
というと、イザナギは
「あなたがそうするなら、私は毎日1500人の子を産みましょう。」
といいました。
こうして、人間には寿命ができ、一日に1000人が死に、一日に1500人が産まれることになりました。

三貴子(みはしらのうずのみこ) アマテラスとツクヨミとスサノオのおはなし

黄泉の国から戻ったイザナギは穢れを落とす為、
日向にお出ましなりました。
その時に身に付けていたものから、12柱の神々が生まれました。
川の中ほどで水を浴びると10柱の神々が生まれました。

そして最後に、左目を清めるとアマテラス(天照大御神)が、
右目を清めるとツクヨミ(月読尊)が、
鼻を清めるとスサノオ(素戔嗚尊)という
尊い三貴子(みはしらのうずのみこ)が生まれました。
イザナギはアマテラスに太陽の神として天の国を
ツクヨミに夜を統べる月神として夜の国を
スサノオに海原を治めるように命じました。

こうして、それぞれの神は、イザナギから命じられた国を治められました。
しかし、スナオノだけは、国を治めずに、ヒゲが胸元までのびた大人になっても、泣きさわいでいました。
その泣く様子は、緑の山々が枯山になり、海や川の水が乾ききってしまうほど、
あらゆる禍いが次々と起こりました。

そこでイザナギは、
「なぜ、お前は、国を治めないで、泣いているのですか。」
と聞くと、スサノオは、
「わたしは、お母さんのいる黄泉の国へ行きたくて、泣いています。」
と答えました。
イザナギは、たいへんお怒りになり、
「それならば、お前はこの国にいてはいけない。」
といって、スサノオを海原の国から追いだしてしましました。

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